パーキンソン病のS状結腸軸捻転とSIBO:症例報告

Office Uno Column






75歳、女性、パーキンソン病

突然にイレウス症状を発症



大腸、小腸はガスで充満し、腹部コンパートメント症候群により、換気不全もあり。

ポイントは、S状結腸が一番拡張していて、直腸にガスがないことである。

以上から、S状結腸軸捻転と診断。

便秘傾向の人のS状結腸が回転し、閉塞を起こす状態で、

時間がたてば血流障害を引き起こし、腸が壊死、穿孔し、致死的となる。

大腸内視鏡を挿入して、捻転を解除した後、イレウスチューブを挿入して、排気を行い、

腸管の安静をうながした。

軽快した時点での写真である。



幸い、壊死は免れ、数日後には、チューブを抜いた。

しかし、小腸ガスがあることが気になっていた。

そして、数日後に再び腹部膨満を生じた。


写真チェックで、小腸ガスが増加していた。

便秘タイプの小腸菌増殖症(SIBO)と診断した。
フラジール投与して一週間で、ガスは消失した。




パーキンソン病では便秘になりやすく、
また、S状結腸軸捻転も起こしやすい。

本例のポイントは、
1)パーキンソンでS状結腸軸捻転を起こしやすいことを知っているか?
2)腹部ガスのみかた
3)小腸ガス増加を理解できるか?

なお、SIBOに対しては、欧米ではリファキシミンが使用されるが、日本では使用できないので、

フラジールを投与した。

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