胸焼けの原因は胃酸だけではない

Office Uno Column



胃潰瘍が少なくなった日本において、
「胃潰瘍の薬」の日本での販売を増やすために、
「逆流性食道炎」の流行を考えたのか。。。。
 
胃酸が食道に逆流して、
「胸焼けを来たしているのだ」と、いうプロパガンダ。。。。
聴いたことがあるだろう。
 
病院に行かなくても、
H2ブロッカーは薬局でも買える。
 
しかし、本当に、
胸焼けは、胃酸が多いためか?
 
イタリアのナポリ大学の研究では、胸焼けや逆流症状があり、PPI(プロトンポンプインヒビター)8週間投与した230人で、65人(28%)が症状の改善がなかった。そのうち、86%が胸焼けの症状であった。
そして、それらの食道内の胆汁酸の量を調べると、食道炎の程度がひどい程、胆汁酸が多かったというのである。
World J Gastroenterol.2009 January 21; 15(3): 334-338



わたしが、懸念するのは、
「胸焼け」を自覚して、
コマーシャルの宣伝に洗脳されて、
気軽に胃酸抑制薬を飲んでしまうことである。
胃酸の低下によって、胃酸バリアがなくなってしまった場合、
小腸で菌が増殖しやすくなる。
その結果、小腸内菌増殖症(SIBO)となれば、小腸の動きが遅くなり、胆汁は胃内へ逆流しやすくなる。





その結果、食道炎が悪化し、さらに、胃酸抑制薬を服用するという悪いサイクルに入り込む危険性がある。

このサイクルから抜け出せなくなると、
胆汁酸による
食道腺癌、
膵臓癌(乳頭部癌)、
胃噴門部癌、
セリアック病
が起こりやすくなり、

SIBO
の重篤化によって
難治性下痢、
重篤な便秘、
老人では繰り返す肺炎、
カンジダなどの真菌症、
免疫異常による疾患
など、さまざまな疾患の扉を開くことになる。







 



 患者自身での鑑別方法はある。
逆流した液の味である。
苦ければ「胆汁」である。
酢のように酸っぱければ「胃酸」である。
多くの場合、胆汁と胃液が混じっているがどちらが優勢か、
判断は出来る。

胆汁逆流は胃酸抑制剤では治療できないが、全体の逆流量は減らすことを狙って薬が継続される場合もある。しかし、もっとも良いのは、胃からの排泄を促進させる薬を用いることであろう。

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